寒桜






晩秋の、ある日の散歩です。
いつもの川を、どこまでも辿ってみたかった。
二つに分かれて同じ川に注ぐ、
まだ辿った事のないもう一方の行方を確かめるために。
辿るために遡ると、
そこには寒桜が咲いていました。


観菊











丹精込めた菊たちも。


寒椿











凛と咲き誇る、一輪の椿も。


塔














流れを下り、もう一本の支流と合流するあたりで、
見つけた不思議な塔です。



桃乳











紙とインクの匂いのする街で堀を横切り、
流れは分かれます。
ビルの裏、高速道路の下を流れて、証券の街へ。
証券マンの憩いの店、
モダンな構えの「桃乳舎」。


永代橋









ほどなく視界が開け、大きな川へと注ぎます。
大きな流れに掛かる大きな橋は、
作っているのか壊しているのか。


佃島










大きな流れの向こうでは、
多くの人が暮らす島が、流れを再び分けていました。


豊海橋







大きな流れの向こう岸から眺めると、
辿ってきた流れは、つぶれた証券会社の裏手に、
小さな賓のある、最後の橋を架けています。
かつては、討ち入りを果たした赤穂浪士が、
泉岳寺への途路、渡った橋だそうです。


大川





満潮であふれた波が、
足元までも洗います。
「船があったらなー」なんて思いながら、
潮の香りを何度も深く吸ってみます。
これで霧でも出ていれば、
「マッチ擦る、つかのま海は霧深し・・・」か。
もう一人の修治は、トカトントン。


おっちゃん








トカトントン、トカトントンを頭の中でグルグルさせて、
大人になったら行ってみたいと思っていた店へ。
「大変永らくご愛顧いただきまして・・・」
あと何日か早かったなら・・・。


水天宮









小さな店の前の路地を右に曲がると水天宮。
いくつもの新しい命を無事に授けてくださった事に、
今日も感謝いたします。


2003.12.12



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