図鑑、写真

ハーブ関係の図鑑はハーブのページで紹介しています。

園芸植物図譜
浅山英一平凡社1986年3月31日初版:30,000円
(発売当時)

内容
 B5版。掲載されている種数は不明。図版は手書きで本文中の物はフルカラー。科ごとにまとめられているが、科の順番は不同。原版は「原色図譜園芸植物<露地編>」、「同<温室編>」。そのためか、この図鑑も、I部、II部に分かれている。

コメント
 私が活用している物は、初版・第3刷(1993年7月26日)の物です。栽培については、著者自身の経験が多く盛り込まれているそうで、他の図鑑に比べてオリジナリティがあります。


The New RHS Dictionary of Gardening・全4巻
総監修:Anthony HuxleyMacmillan Referance LTDハードカバー版初版・1992年
ペーパーバック版初版・1999年
149ポンド

内容
 A4版。3240ページ。タイトル通り、RHSThe Royal Horticultural Society;英国王立園芸協会)編集の植物事典。起源は18世紀の初めにまで遡るようである。当然内容は英語で書かれている。紹介されている属は3,893属。種数は不明。配列は学名のアルファベット順。1巻の冒頭に、イラスト入りで形態に関する用語、分類に関する用語の解説、4巻の末尾に、病害虫・障害や園芸用語の解説、種形容語の意味、一般名索引(Index of Popular Name)などがある。本文はテキスト中心で、イラストは4000以上、写真はない。種ごとの形態・生態の解説のみならず、属ごとに、栽培方法やガーデニングでのアレンジメントのワンポイントについても触れられている。

コメント
 2002年以降、植物の解説ページ作りに積極的に活用しています。このサイトで公開している学名は、日本の図鑑の物より、こちらの物を優先的に採用するようにしています。英語で書かれていますが、そう難しいことはないと思います。ただし、本文中の図版が少なく感じられます。1巻の冒頭にイラスト入りの解説があるとは言え、テキストをもとに形態をイメージするのは、相応の訓練が必要かと思われます。
 各植物について、具体的に耐寒温度が書かれていることがありますが、本当にそこまで耐えられるのか?と思うことがしばしばあります。
 上記の内容は、公式サイトのデータも参考にさせていただいています。行き方は、2002年11月末時点で、「publications」→「BOOKS」→「General Reference Books」です。


日本花名鑑
監修/安藤敏夫・小笠原亮Aboc(アボック社)1巻・2001年 4月20日
2巻・2002年 7月20日
3巻・2003年 4月25日
2,838円(税抜き)
2,838円(税抜き)
2,838円(税抜き)

内容
 14000種類(品種のレベル)の植物が掲載されている図鑑。ただし、1〜3巻の中で繰り返し掲載されている植物・品種がある。「国際植物命名規約(2000年)」と「国際栽培植物命名規約(1995年)」に対応しており(科・属の分類は「The Plant-Book」に準拠)、NHKの「趣味の園芸」や「浜名湖花博」等で、植物名称の準拠文献として採用されている。各巻とも、「高木・低木」、「コニファー」、「つる植物」、「サボテン・多肉植物」、「観葉植物」、「ハーブ」、「球根植物」、「1・2・多年草」、他に区分され、それぞれの区分で、植物が学名順に配列されている。1巻には各植物に適した環境条件、利用法、栽培法などを記したマークと日本花き取引コードが付いている。また、耐寒ゾーン地図も付いていて、冬越しの目安が分かる。各巻末に、「学名、異名、英名索引」と「和名ほか索引」が付いている。3巻共通の索引は3巻にだけついている(ただし、3巻共通索引は、和名他のみで、学名索引は3巻共通ではない)。B5版。フルカラー。1巻・304ページ、2巻・386ページ、3巻・444ページ。

4巻が発売されたようです。入手したら、ここの情報を改訂するかもしれません。

コメント
 内容は新しい文献に基づいているようですし、正しい名称を知るのには、適しているかもしれません。このサイトでの引用も多くなるかもしれません。
 ただ、引きにくいのが気になります。特に、学名索引。3巻共通の学名索引を付けて貰いたかったですし、異名で引けなかったり、属名だけで種小名(種形容語)を記していなかったりする場合があります。1巻、2巻、3巻と巻が進むのに伴って改良を加えていくという形にしたせいか、重複している植物もあります。新しい巻で新しい植物名が追加されているのに、写真は古いままということもあります(使い回しをしないで、新しく追加した植物に対応した写真を追加して欲しいと言うことです)。また、現在、市場に出回っている全ての品種を網羅しているわけでもありません。公式サイトで「14000」とされていますが、「種(しゅ、species)」ではなく、「園芸品種」のレベルで14000種類と言うことで、「種」のレベルでは、もっと少ないと思います。


野草・雑草観察図鑑
著/岩瀬 徹
写真/鈴木庸夫
成美堂出版1999年9月20日1,600円(税抜き)

内容
 430種の野草や雑草を、5つの環境に大別し、更に生育型で細分して、カラー写真付きで紹介している。初心者向けの植物学講座のページがある。他に、クローズアップファミリーとして、同じ科に属する植物に共通してみられる特徴についての説明がある。本文の植物の説明は、主に形態について述べているが、他に名前の由来、別名などの説明が付いていることもある。巻末に観察地ガイド(天然記念物に指定されている草の群落と自生地、草花探勝地、日本や世界の植物園の紹介)付き。索引は50音順。

コメント
 一部の他の類似書と比較して掲載されている植物の種類が少ないかな、とも思いましたが、値段・内容を考慮すると良い図鑑だと思います。


庭木・街の本
解説/岡部誠・堀越禎一
写真/巽英明
小学館・ポケットガイドシリーズ1999年3月20日1,260円(税抜き)

内容
 文庫本サイズの庭木・樹木の図鑑。275種・413種の植物について樹木の利用のタイプごとに解説している。巻末には、用語解説の他、栽培の説明の基本的な事項について触れられている。索引は、一般名と学名の2種類がある。

コメント
 私は樹木に詳しくないので何とも言えませんが、図鑑としての出来はいいと思います。冒頭の色別図鑑はどの程度役に立つか分かりません。


四季の野草手帖−野の花たちのひとりごと
文/菅野邦夫
写真/藤田 卓
日貿出版社2000年3月25日2,300円(税抜き)

内容
 A5版よりやや小さめ。仙台市野草園の名誉園長の著書で、読売新聞の宮城県版に「野の花のひとりごと」として連載された56編を再構成し、新たに107編を追加した単行本。1ページにつき一つの植物が、カラーの写真入りで自己紹介をしている。他に植物のスケッチの描き方、葉拓画の作り方の説明がある。巻末に50音順の索引付き。

コメント
 思わず吹き出してしまう自己紹介あり、深刻な自己紹介ありと、植物の本心はともかく、物言わぬ植物に代わってその気持ちを代弁している点がユニーク。たまに影武者K氏が出しゃばることもありますが、おそらくは確信犯。


ひっつきむしの図鑑
監修/北川尚史
写真/伊藤ふくお
文/丸山健一郎
トンボ出版2003年 9月20日2,800円(税抜き)

内容
 動物に付着して散布される種子(ひっつきむし)を着ける植物の図鑑。80ページまではカラー写真。81ページ以降は白黒の写真とイラスト。ひっつきむしでの遊び方や、似た植物(主に同属の植物)の見分けた方についての解説もある。巻頭には、種子の写真入りの索引があり、巻末には、ひっつきむしに関連する解説、ひっつきむしの方言、植物用語の図説、50音順索引がある。B5版。96ページ。

コメント
 「ひっつきむし」なんてタイトルが付いていたので、子供向けか、と思いつつ手に取ってみましたけど、中を見て吃驚。学名はもちろん、専門用語を用いた本格的な本です。各植物の解説に関しては、分布地や形態について簡単に述べている程度ですが、写真は見応えがあります。


伝統の朝顔
伝統の朝顔 II・芽生えから開花まで
国立歴史民俗博物館編財団法人 歴史民俗博物館振興会I・1999年8月3日
II・2000年6月20日
I・905円(税抜き)
II・905円(税抜き)

内容
 それぞれ、国立歴史民俗博物館の特別展示「伝統の朝顔」展に併せて販売された展示図録。I は江戸時代の変化朝顔の図録やその他のアサガオに関する資料の紹介、II は変化朝顔の主要系統の子葉、苗、花の写真入りの解説と江戸時代の育成法、栽培法などについて。II の一部は英語の解説あり。

コメント
 分類が「図鑑」で適切かどうか分かりませんが、朝顔図鑑という印象があったので、ここではとりあえずこのように扱います。変化朝顔の手頃な資料です。文献検索中に偶然この本のことを知り、即通販で買いました。企画展が終わっていたので、期待していなかったのですが、オマケで変化朝顔の種子が付いていてラッキーでした(^^)

 他にIIIがありますが、既に完売しているそうです(2001年10月現在)。増刷されたら、改めて紹介したいと思います。


カメラ片手に花散歩を楽しむ本 誰にも撮れる花写真
近藤篤弘講談社・+α文庫1998年5月20日1,000円(税抜き)

内容
 植物の生育域を、「市街地や道路脇」、「空き地や跡地」、「水田」など13種類に分け、そこに咲く花(野草が多い)を撮影した写真集。見開き2ページで写真を提示し、次の2ページで植物の説明(直前のページの植物の説明とは限らない)や、写真を撮る上でのコツやマナーなどが書かれている。写真はオールカラーで、使用したレンズ、絞り、露出等の撮影条件と撮影場所などが記されている。その他、カメラ・レンズ・フィルムについての解説がある。巻末に花名索引と参考文献付き。

コメント
 私はデジカメを使用しているため、この本で紹介されている一眼レフでの撮影方法が実際に役立つかどうかの判断は致しかねます。
写真が奇麗です。この本を読んでいると、カメラとこの本を持って散歩に行きたくなってきます。文庫本ですし、散歩のお供にもってこいです。


最新園芸大辞典 全13巻
編集・最新園芸大辞典編集委員会
委員会代表・井上頼数
誠文堂新光社1982年〜1984年?円

内容
 B5版。何種掲載されているかは不明。写真はモノクロ。全13巻のうち、1〜12巻が図鑑、第13巻が索引と植物名の図解。植物の配列は、基本的に学名のアルファベット順であるが、一部例外有り。植物の解説では、種毎に種小名の意味が説明されている。索引は、和名と学名の物がある。植物に限らず、「肥料」など関連のあるキーワードの説明もある。

コメント
 悪い表現かもしれませんが、感じとしては、小学館の「園芸植物大事典」のプロトタイプと言ったところでしょうか。「園芸植物大事典」で余り詳しく解説されていない植物についても詳細が載っていることもあり、種類が豊富な点でも高く評価できますが、図版が白黒なのが玉に瑕。また、第13巻が索引になっていますが、配列が上記の通りであるため、学名を知っていないと引き難いかもしれません。


四季の花色図鑑
坂梨一郎・村井千里講談社1998年2月14日2,800円(税抜き)

内容
 花が咲く季節と花の色から花の名前を引ける辞書のような図鑑。その他、観葉植物の紹介もある。巻頭に、「注目の新しい花」、「主役の花」の他、植え方(コーディネート)のヒントを紹介している。本文の花の説明には、市販期、大きさ、管理のポイントなどがある。巻末に用語解説と、50音順の植物名索引付き。オールカラー。

コメント
 役には立ちますが、植物名の記載法に気になることがあり、改善の余地があると思います。それと、同じ種の植物でも品種によって色が違うのだから、せめて写真の花の品種名くらい記載してもらいたいです。


国際版 ばら花図譜
鈴木省三小学館1996年4月1日9,515円(税抜き)

内容
 日本を代表するバラの育種家・鈴木省三氏の著書。1990年に発刊された同氏の「ばら・花図譜」の外国語版を更に日本語版に編集したもの。冒頭で、現代の栽培品種が出来るまでの歴史や文化史が解説されている。約1000の品種や原種は、各系統(ハイブリッド・パーペチュアル、ティー・ローズなど)ごとにアルファベット順にカラーの写真入りで説明されている。巻末に、世界のバラ作出家・世界のバラ園の紹介、形態と各部名称、50音順索引付き。

コメント
 バラが好きな人は持っていて損はないと思います(保証は出来ません)。図鑑としては、ピンぼけ写真があるのは玉に瑕。
関連図書…「Mr. Rose 鈴木省三 僕のバラが咲いている

バラの歴史について造詣を深めたい人には「バラの誕生」という本があります。


草土花図鑑シリーズ1 切り花
編集制作/草土出版編集部草土出版1996年4月22日3,000円(税抜き)

内容
 B5版よりやや小さめの植物図鑑。切り花やハーブなどがカラー写真で掲載されている(何種あるかは不明)。花は色別に分類されており、それぞれ開花期、出荷時期、形態の特徴、切り花の取り扱い法等が紹介されている。巻頭に、逆引き花言葉字典(花言葉から花を引く辞典)と誕生花索引(2種類紹介したとあるが、そのうちの一つは恐らく「366日誕生花の本」からの引用。)がある。また、巻末には出回り時期ごとのアイウエオ順に記した索引と、総索引(50音順)がある。他に、フラワースクールと生花市場の情報付き。

コメント
 花の一つ一つに、切り花としての取り扱い法が記載されている点は評価できます。また、誕生花と花言葉の両方から辞書のように花を引けるのは便利です。逆に、花の名前から特徴を知るには巻末の索引を利用するしか方法がなく、やや不便です(色別に分類されていますが、その中での配列に規則性はなさそうです。もしかしたら、形の似たもの同士でまとめたのでは、とも思えるのですが。)。


園芸植物大事典
総監修/塚本洋太郎
編集著作出版者/相賀徹夫
小学館1巻・1988年7月10日
2巻・1988年10月10日
3巻・1989年2月10日
4巻・1989年7月10日
5巻・1989年12月20日
6巻・1990年4月20日
13,500円(税抜き)
13,500円(税抜き)
13,500円(税抜き)
13,495円(税抜き)
13,495円(税抜き)
13,495円(税抜き)

内容
 1巻から5巻が園芸植物の図鑑。6巻が用語事典と索引。植物の配列は属名の50音順で、それぞれの植物の形態、来歴、栽培方法の他、文化などについても紹介されている。第6巻は、用語の他、国内外の植物園の紹介、植物形態チャート、種子植物分類表、学名命名者一覧、参考文献一覧、他で構成されている。索引は、和名、学名の他、英名、ドイツ語名、フランス語名もある(本文中には中国語名もある。)。植物の写真はオールカラー。

コメント
 園芸植物図鑑の最高峰と評されているだけあって情報量はヘビー級で、痒いところに手が届くと言ったところでしょうか。その分、値段・重量・体積もヘビー級です。他の図鑑の参考にもなっているようです。

 このサイトでこの図鑑が引用されている場合、特に断りがない限り、コンパクト版も同じ内容です。


園芸植物大事典 コンパクト版
総監修/塚本洋太郎小学館1994年4月20日40,780円(税抜き)
分売不可

内容
 上記「園芸植物大事典」のコンパクト版。B5版・全3巻で、1・2巻が植物事典、3巻がオリジナル版の6巻に相当する。

コメント
 確かに、体積は減っていますが、重量はヘビー級であることに変わりなしです。コンパクトになった分、字の大きさが小さくなっていますが、情報量に変わりはないようです。最新の情報はともかく、この事典があれば他の事典が必要なくなるほどの充実ぶりです。


The Plant-Book: A portable dictionary of the vascular plants- Second Edition
D. J. MabberleyCambridge University Press1997年52.95ドル
(2002年11月末の時点)
8537円
(2004年8月末の時点)

内容
 見開き2ページで、A4版よりやや小さいサイズ。約880ページ。維管束植物20,000種以上の学名が載せてある植物名事典。種に関しては、学名の他には原産地や分布している地域が書かれている程度で、詳細な説明はほとんどない。科については簡潔な説明があるものもある。巻末に、分類、文献の紹介、略語の説明(一般事項、命名者名)がある。このページでは図鑑に分類したが、図や写真はない。

コメント
 学名を調べるときに、たまに利用しています。上記の価格は、「Amazon.com 」で調べたものです。
追記(2004.10.10.)
 初めてコメントを書いた頃は、職場にあるものをたまに利用している程度でしたが、現在、このサイトの植物の学名は、この本に準拠するようにしています。「日本花名鑑」の科・属の分類も、この本に準拠しているそうです。利用頻度が高くなったので、Amazon を利用して個人購入しました。上記の価格は、購入した時のレートの物なので、安くなったり、高くなったりすることがあるかもしれません。ほとんど植物名が羅列されているだけで、略語が多く、イラストがないので、アマチュアには無味乾燥で取っつきにくいかもしれません。しかし、使い慣れてくると、意外と「使える」書籍と言うことがよく分かります。しかも、この本が書かれた時点での新しい研究成果が盛り込まれているので、内容についても申し分ないです。


花たちのふるさと
冨山 稔河出書房新社・ふくろうの本2000年2月10日1,800円(税抜き)

内容
 世界各地の野生の花(栽培品種に改良された花の原種)を自生地で撮影した写真集。「地域の花の章」、「季節の花の章」の大きく二つに分けて紹介され、それぞれがさらに細かく分けられている。「地域の花」では、世界を6地域に分け、それぞれの地域につき4ページ、計24ページで野生の花をオールカラーで紹介している。「季節の花」では、見開き2ページでカラー写真で花を紹介し、その次の2ページでモノクロ写真入りで詳細な解説(伝説や、栽培方法などについて)をするという体裁を採っている。巻末に参考資料、学名索引、和名索引付き。

コメント
 写真が奇麗です。普段、鉢や花壇で見ている花が、自然の状態で咲いている姿を見ると、なんだか感動してきます。岩間に生えているチューリップやシクラメンを見ると、その花が持つ力強さが感じられます。

植物に合わせた背景入りの構図といったら「フローラの神殿」が彷彿とさせられますが、一部重複する植物があるので、比べてみるのも一つの楽しみ方だと思います。


カラー最新版 花屋さんの花がわかる本
長岡 求講談社・+α文庫1998年2月20日1,300円(税抜き)

内容
 文庫本サイズの植物図鑑。出荷時期(周年、早春〜春、夏、秋〜冬)と葉物に分けて、それぞれ植物名(学名、和名、英名を問わず、園芸上、最も多く使われている名前を採用)のアイウエオ順に、合計271種の植物について簡単な説明が付けられている。巻末に「花の正しい扱い方」、「花の正しい買い方」、「上手な花贈り」、「ドライフラワーの作り方」の解説と、誕生花と花言葉が付いている。説明に目安の価格と花持ちについて触れられていることがこの本の特徴。

コメント
 あとがきにあるように「花の名前や扱い方を知ってもらう」ことが目的とされているためかシンプルですが、使い勝手は良いです。


原色和漢薬図鑑 上・下
難波恒雄保育社1980年4月1日各4,500円(税抜き)

内容
 このページでは便宜的に図鑑に分類したが、実際は、和漢薬として利用されている植物器官の図鑑(図版はカラー写真)であって、植物自体については白黒の手書きのイラストがあるのみ。上巻は517ページ、根、根茎、果実、種子類の和漢薬233種の解説と40の図版、巻末に「中国と日本の本草」(本草の歴史)、「常用処方集」、「漢方治療の実際−処方の応用−」、「日本薬局方収載生薬一覧表」、「参考文献」。下巻は521ページ、全草、葉、花、根皮、樹皮、茎、材、樹脂、エキス類、藻・菌類、動物、鉱物和漢薬218種の解説と40の図版、巻末に上下巻共通の索引(「和名・漢名」、「漢字名画数」、「学名」、「成分名」の5種類)。生薬の解説は、歴史、名義、基源の本草学的考証、成分、薬理、薬味、薬性、薬能、用途、処方例。成分については、構造式も載っている。A5版。

コメント
 20年以上前の本で、古いのは否めません。同様の内容で新しい本があるかもしれませんが、私の手元にはこれしかないので。園芸植物を中心に扱っているこのサイトでの引用頻度は低いものの、内容については申し分なく、重宝しています。


花卉品種名鑑
 農山漁村文化協会2002年2,857円(税抜き)

内容
 B5版、534ページ(うち本文510ページ)。「農業技術大系花卉編・追録第4号」の付録で、日本国内の27社の種苗会社が販売する全ての園芸植物の品種(950種・13,000品種)を網羅した品種名事典。巻頭に、カタログ名・和名・通販名索引と、学名索引が付いている。植物の配列は学名順。品種については形状、性質、受賞した賞、販売商社などが、一覧表としてまとめてある。また、種の解説も、原産地、栽培適温、発芽温度、栽培適地などについて書かれている。このページでは図鑑に分類したが、図や写真はない。

コメント
 付録と言うことで、ばら売りしているかどうかは、分かりません。国内に流通している13,000の品種が集められているだけあって、何かと役に立つことがあります。簡潔ながら、種の解説がされているのも良いです。ただ、揚げ足取りのようになってしまいますが、巻頭の<本書の利用の仕方>に、「全『品種』を学名のアルファベット順に・・・」とあるのは、『種』の間違いだと思いますが。品種に学名はないでしょう。


植物記 DAYS OF PLANTS
埴 沙萌福音館書店1993年4月30日3,300円(税抜き)

内容
 児童書(漢字はルビ付き。)。大分県・野津町と国東半島のありふれた植物の季節ごとの姿(発芽の様子、開花、休眠芽など)を1900枚のカラー写真で紹介している。写真は、オジギソウのお辞儀やヘチマの巻きひげが伸びる様子などを連続撮影で捉えた物、花粉や冬芽を拡大した物など、シチュエーション・撮影の方法も豊富。植物を象った家紋の紹介付き。巻末の索引は50音順で、植物の他、昆虫・鳥などの物も記載されている。

コメント
 形態、生態に分類しても良いかなと思いましたが、写真が豊富なのでこちらに分類しました。
児童書のようですが、なかなかどうして大人も楽しめます(もしかしら私が子どもっぽいのかも。)。写真は細かいところまで良く撮れています。この本を読むなら、「はじめに」は必読。


園芸植物 庭の花・花屋さんの花
解説/肥土邦彦
写真/植原直樹
小学館・フィールドガイドシリーズ1995年6月20日1,940円(税抜き)

内容
 B6版サイズの植物図鑑。収録されている花は、900以上の種・品種。順は科のアイウエオ順。それぞれの植物の説明には、原産地、花ことば、花の名前(学名も含む)の由来なども記されている。巻末に、花の育て方とアレンジメントについての解説もある。索引は、一般名と学名(属名)の2種類がある。

コメント
 小さいサイズの割に本格的でいい出来だと思います。ただし、「庭の花・花屋さんの花」に限定されているためなのかどうか分かりませんが、扱われていない植物(例えばラン科)もあります。


世界有用植物事典
編集委員代表・堀田 満平凡社1989年8月25日26,500円(税抜き)

内容
 このページでは便宜的に図鑑に分類したが、図は少ない。約8500種の植物と、138の事項について解説している辞典。B5版。1505ページ。配列は学名順であるが、巻頭と巻末に索引がある。巻頭の索引は和名の50音順。巻末の物は、「植物欧文・現地名索引」、「中国植物・生薬名索引」、「事項索引」の3種類がある。植物の解説は、有用性や人間生活との関連を重視し、植物にまつわる伝説についても触れられていることがある。その一方で、形態については最小限に留められている。事項については、植物に関わる有りとあらゆることを網羅しているようで、植物学の基礎的なことから、例えば、「菓子」、「楊子」、「まな板」、「花言葉」についても説明があったり、例えば、「麻薬」については、「薬理作用と副作用」の他、「東インド会社とアヘン貿易」のような歴史についても触れられていることがある。

コメント
 古いと感じることがあるものの、上記の内容から、特に、利用法に関することでお世話になっています。欠かせない一冊です。


絶滅危惧植物図鑑・レッドデータプランツ
監修/矢原徹一
写真/永田芳男
山と渓谷社2003年12月15日4,200円(税抜き)

内容
 日本国内の絶滅危惧、野生絶滅、準絶滅器具、情報不足の種のうち841種を取り上げた図鑑。中には、この本でしか見られないような植物もある。本文中の図版は、全てフルカラーの写真。植物全体の写真の他、部分的に拡大した写真も載っていることがある。解説は、形態的特徴と「撮影記」というコメントで構成されている。巻末に県別分布データ、レッドデータブックにおける評価の方法を収録。索引は、学名順、和名・別名の50音順の2種類。B5版よりやや小さめ。719ページ。

コメント
 普通に目にする機会がほとんどない植物の図鑑と言うことで、貴重な資料だと思います。取材をした人のコメントが入っている点が良かったです。日本の野生植物の約24%が絶滅の危機にあり、その一因は乱獲や開発工事などの人為的な行為によるものという現実に、植物に限ったことではありませんが、自然の保護に関心を持つべきだと思いました。



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