メモ | ルリマツリ属の解説は、こちらをご覧下さい。 原産地は南アフリカで、ヨーロッパ南部にも帰化しているそうですが、ヨーロッパに入ったのは1818年のことだそうです。
| 耐寒性の弱い、常緑の低木で、高さは1.5メートルになるそうです。花序は有毛ですが、それ以外の部分は無毛です。葉は、長楕円形〜長楕円状へら形で、托葉があります。左の写真で、茎に対して対生しているのが托葉です。種小名の auriculata は「耳状の、耳形の」と言う意味ですが、この形態に由来するものと思われます。参考までに、茎から右上に伸びているのが普通葉、普通葉と茎の間に生えている葉は、腋芽から生じたものです。花筒の長さは、約4cmです。花色は淡青の他、白もあるそうです。花は、春から秋にかけて開花します。 |
タネから育てる場合、開花までに2年かかるそうですが、写真の‘レインドロップ’のように、3〜4ヶ月で開花する早咲きの品種もあります。 栽培について、繁殖は、実生の他、挿し芽や株分けでも出来るそうです。播種は、春に行いますが、気温が低いと発芽し難いそうで、暖かくなってからが良いそうです。日当たりと排水が良く、肥沃な土壌が向いているそうです。冬の間は、5〜6℃以上に保ち、水やりは控えつつ湿度は保つようにし、強く剪定すると良いそうです。
アフリカでは、民間薬としての利用があるそうで、頭痛、イボ、骨折、腺病、浮腫、マラリア、皮膚の傷の治療や吐剤として利用されているそうです。 また、植物体に含まれているプルンバギン(plumbagin)は、昆虫の神経内分泌系と脱皮の過程を妨害するそうです。幼虫を使った実験によると(実験的に確かめられたのは、カイコ、ワタアカミムシ、イラクサギンウワバ、Heliothis zea[英名:cotton bollworm;和名?]、H. virescens[tabacco budworm;和名?])、幼虫の種によって感受性が異なったそうですが、脱皮を阻害したり(結果として殺虫効果有り)、薄い濃度では成長を遅らせたりしたそうです。また、キチン(節足動物などの外皮の構成成分)合成酵素の阻害が確認されたそうです。プルンバギンはキチンを持つ生物に特異的に作用することから、従来の神経毒性の殺虫剤より生態系与える影響が少ない殺虫剤として利用できることが期待されるそうです(ただし、20年前の話です)。 若い葉からは、20キロダルトンの抗菌性のタンパク質が、単離・精製されているそうです。このタンパク質は、根腐れ病の主要な病原菌である炭腐れ菌(Macrophomina phaseolina;糸状菌の一種で、多犯性)に対して抗菌作用が確認されたそうです。
追記(2007.12.3.) 托葉の写真とその説明を追加しました。
本棚以外の参考文献
Elgorashi, E. E., et al. Screening of medicinal plants used in South African traditional medicine for genotoxic effects. Toxicology Letters. 143: 195-207. 2003.
Kubo, I., et al. An insect ecdysis inhibitor from the African medicinal plant, Plumbago capensis (Plumbaginaceae); a naturally occurring chitin synthetase inhibitor. Agricultural and Biolgical Chemistry. 47: 911-913. 1983.
Ghosh, M., et al. Purification of a 20 KD antifungal protein from Plumbago capensis: A medicinal plant. Journal of Medicinal and Aromatic Plant Science. 24: 16-18. 2002.(摘要のみ参考)
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