メモ | ユリ属の説明は、こちらをご覧下さい。ヤマユリ(L. auratum)の変種(variety;var.)です(※)。 別名は、「最新園芸大辞典」に依ります。同書に依ると、サックイネラは、伊豆七島の方言だそうです。 日本特産で、伊豆諸島〜伊豆半島の海抜40〜300メートルの森の中に自生しているそうです。
ヤマユリと比較して、花が大きく(直径30cm)、花被片の斑点が目立たず、葉が広く、より多く着いている、という違いがあるそうです。草丈は、大きいものでは2メートルにも達し、日本のユリの中でも最大だそうです。 品種として、写真の‘シントシマ’(新利島?)の他、‘利島’があるそうです。変異株(資料によっては、品種)として、オオベニスジ(大紅筋)、シロホシサクユリ(白星作百合)等があるそうです。また、ヤマユリと同様に、オリエンタル・ハイブリッドの交配親になっていて、タモトユリ(L. nobilissimum)との交配で、‘雪の舞’という品種が育成されています。また、PCR-RFLPと言う遺伝子を分析する方法で、オリエンタル・ハイブリッドの交配親を推定した結果、‘スターゲーザー’、‘ル・レーブ’、‘マルコポーロ’の種子親である可能性があることが指摘されています(ただし、ササユリ[L. japonicum]が種子親である可能性もあるそうです)。 栽培については、日当たりと排水の良い場所を好むそうです。また、乾燥を嫌うと言われています。花芽は、鱗茎を植え付けた後、発芽してから間もなく(地域、気象、環境などにも依ると思いますが、3月中旬頃)、分化を開始するそうです。なお、種子から育てると、開花までに4〜5年かかるそうです。
※ 遺伝子を調べた最近の研究により、ヤマユリよりも、ササユリに近いという説が発表されています。
本棚以外の参考文献
Okazaki, K. Lilium species native to Japan, and breeding and production of Lilium in Japan. Acta Horticulturae. 414: 81-92. 1996.
Haruki, K. et al. Tracing the parentages of some Oriental hybrid lily cultivars by PCR-RFLP analysis. Journal of the Japanese Society for Horticultural Science. 67: 352-359. 1998.
大川 清.日本自生百合の花芽分化期について.園芸学会雑誌.第67巻第4号:655〜661ページ.1989年.
Haruki, K. et al. Possibility of classification in some species of Lilium by PCR-RFLP of ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase large subunit (rbcL) gene and ribosomal RNA gene. Journal of the Japanese Society for Horticultural Science. 66: 189-192. 1997.
Nishikawa, T. Phylogenetic relationship among Lilium auratum Lindley, L. auratum var. platyphyllum Baker and L. rubellum Baker based on three spacer regions in chloroplast DNA. Breeding Science. 52: 207-213. 2002.
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