2001年春のスギ・ヒノキ花粉飛散予測 (2001.2.20)

2001年の慈恵医大耳鼻科の飛散予測です。

品川の観測で、スギ2200個/cm2/シーズン、ヒノキ300個/cm2/シーズン、合計2500個/cm2/シーズンと予測します。
変動幅2割を許容範囲とお考えください(合計2000個/cm2/シーズンから3000個/cm2/シーズンです)

昨年よりは少ないですが、平年の約2000個/cm2/シーズンを超えますので、注意が必要です。

過去の品川での観測結果(ダーラム花粉採集器を使用)

グラフの無断使用は固くお断りいたします。


平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第6報です。
(2月5日) 2月4日第38回関東耳鼻咽喉科アレルギー懇話会が開かれ、今年の花粉予測が報告されました。 演者の方々のご好意でその内容をご紹介させていただきます。 

片桐仁一先生:陣馬和田峠と奥高尾の昨年11月の現地観測で、昨年並みの花芽の付き方が観測されました。 スギ花粉の東京での飛散予測は2200個ー2600個/cm2/シーズンで、平年の1.1倍から1.3倍の予測です。

佐橋紀男先生:昨年夏の最高気温と日射量が多かったので、南関東のスギ・ヒノキ花粉飛散数は単純に計算すると3000個/cm2/シーズンだが、補正をかけて2300個/cm2/シーズンと予測されます。 補正をかける理由としては、2年連続で花粉を作る勢いが少ないことと、雄花(花芽)のサイズが小さいことによります。 船橋では元日からスギ花粉の飛散が少量見られます(初観測日1/1)が、ほとんどは1個/cm2/日以下であり花粉飛散開始にはいたっていません。

村山貢司先生:花粉飛散数と関連の高い昨年の日照時間は、東北の一部と北海道を除いては全国的に平年を上回っていました。 また神奈川県の花芽調査では、昨年比で72%と平年を越える高い付き方でした。 スギ・ヒノキの花粉飛散は東京では3000個ー3800個/cm2/シーズンが予測されます。 東京でのスギ花粉飛散開始日は最近修正され、2月16日から2月21日の間となり、北関東では2月下旬のもようです。 昨年同様に飛散開始直後は飛散数が少ないものの、気温の上昇と共に多くの花粉飛散が続きそうです。 静岡ではすでにスギ花粉飛散が開始した地域もあるようです。 ヒノキ花粉の飛散開始は3月20日頃で飛散終了は5月連休明けとなるものと思われます。 


平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第5報です。
(2月2日) 「スギ花粉量平年より多め 関東、今月中旬から」と報道されました(日経夕2/1)。 「日本気象協会は1日までに、今年春の関東地方のスギ花粉飛散量が平年より2−5割多めになると予測を発表した。 飛散が始まるのは関東南部で2月中旬、北部で2月下旬と予想している」とのことです。 昨年暮れには暖冬の予測がされていましたが、雪の影響で寒い日が続き、スギ花粉の飛散開始も平年並みになりそうです。
平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第4報です。
(1月10日) 日経メディカル1月号同封別冊で「2001年花粉症を予測する」が特集されています(8ページ)。 日本気象協会の村山氏は「全国的に大量飛散の可能性 西日本は昨シーズンの3−10倍に」と予測し、「飛散開始時期は暖冬の影響でやや早めになる」とのことです。 また「昨年より花粉飛散が少ない東日本でも、多くの患者が抗体価の下がりきっていない状態で今シーズンに突入するので、去年以上に症状が悪化する可能性もある」と指摘しています。 最近は「花粉シーズンが長期化し5月の連休を過ぎても、まだ続いていることが珍しくない」と述べています。 これは、標高の高い所に植えられた杉が成長し花粉をとばし始めたこと、およびスギより10-15年遅れて植えられたヒノキが、成木となり花粉を飛散させるようになった、という二つの要因を挙げています。
平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第3報です。
(12月27日) 医療従事者向けの Medical Tribune の12月21日号で花粉症特集(15ページ)が掲載され、2001年スギ花粉飛散予測は「西日本を中心に大量飛散」の傾向があるようです。 平成13年の関東地方の動向は、東邦大学佐橋氏によると「2年連続の暑い夏も樹勢は衰退」と花粉飛散数増加の因子と、花粉飛散数減少の両方の因子があるようです。 過去の大量飛散年はいずれも最高気温、日射量とも前年に比べ低下していたので、翌年は飛散数が減少していました。 しかし平成12年のように「大量飛散年も暑い夏は初」とのことで、今までとは異なった予測がなされました。 平成12年に少量飛散に終わった西日本では、樹勢の快復が見込まれることから、平成13年は大量飛散が予測されるようです。 朝日新聞でも「花粉、来年は大暴れ? 近畿・東海地方は要注意」と本日夕方ネット上でニュースが掲載されています。
(12月2日) 平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第2報です。
「薬の知識(ライフサイエンス出版)」12月号で「新世紀に向けた花粉症治療」が特集され、8題のテーマで最新情報が紹介されています。 2001年の花粉飛散予測について東邦大学の佐橋氏は「南関東の主な都市の予想総花粉数は2000個-2500個と、やや平均を上回るものと思われる」と報告しています。 日本気象協会の村山氏は「2001年春に、2000年春よりも多少でも花粉が減少するのは関東と北陸だけであり、その他の地方ではすべて2000年春より増加する見込み」とのことです。 また「花粉が2000年春より減少する地域でも、平年に比べると1.5倍-2倍の予想になっており、決して少ない量ではない」とのことです。 2000年春に大量飛散した地域では、鼻の過敏性が亢進していたり血清の特異IgE抗体値が上昇した状態が続き、花粉症の症状が強く出やすいと思われ例年にも増した予防が必要と思われます。
(10月21日) 平成13年のスギ・ヒノキ花粉予測の第1報です。
来春の花粉は全国的に多そう 日本気象協会予測」
と報道されました(10/21朝日。 「この夏の記録的な猛暑の影響で、来春は全国的に平年の1.5倍から4倍のスギ・ヒノキ花粉が飛びそうだ」とのことです。 また次のようにも書かれています。 「日本 気象協会は昨年までの天候と花粉量の関係をもとに、来年の花粉飛散量を試算し た。東北、関東、中部、中国、四国、九州では平年の1.5―3倍、近畿は1.5―4倍になるとみている。今春は東日本で平年の1.5―4倍、西日本で2-7割と「東高西低型」だった。『現在、各地でスギ林の花芽のつき方を調査中で、12月下旬により精度の高い予報をまとめる』」とのことです。 品川でのスギとヒノキの花粉飛散数の平均値はおよそ2000個/cm2/シーズンですが、4000個/cm2/シーズンも飛散した翌年は1000個/cm2/シーズンを越していないので、来年は例外の年になりそうです