慈恵医大耳鼻科の都内での春季花粉観測結果

 慈恵医大の春季花粉観測が都内で20年続けたのでその結果をまとめてみました。1984年から3年間はスギ・ヒノキの区別をしていません。それによると花粉飛散数は増加傾向にあると言えるようです。 また豊作の年の周期性はあまりはっきりしませんが、逆に不作の年は5年おきに1989年、1994年、1999年と繰り返しています。ただし不作の翌年は大量飛散の傾向があります。



スギ花粉の観測記録(1988-2003)は次の通りで、飛散開始日が早まる傾向は認めませんでした。

1.花粉飛散開始日 平均2月14日
    1月28日(1988)- 2月28日(1994)
2.花粉本格飛散開始日(20個/cm2/日以上) 
    平均2月22日
    2月5日(1988)- 3月11日(1994)
3.花粉飛散終了日 平均4月20日
    4月6日(2002)- 4月30日(2000)
4.最大飛散日 平均3月13日
    2月21日(9.6個1989)-3月28日(479個2003)


スギ花粉の観測記録(1989-2003)は次の通りで、スギ花粉飛散開始から1月遅れで飛散が開始します。

1.花粉飛散開始日 平均3月14日
    2月26日(2003)- 3月11日(1994)
2.花粉飛散終了日 平均4月27日
    4月15日(1990、2002)- 5月8日(1993)
3.最大飛散日  平均4月6日
    3月21日(61個 2002)-4月20日(60個 1993)


 期間を区切って平均値を求めると、平均値の増加傾向が認められました。そこで平年値を示す際には、観測期間の表示が必要なことがわかりました。


 花粉飛散数と大きな関連を示す、前年夏の日照時間を比較しました。やはり5年おきにはっきりとした冷夏がありました。また2003年は8月で少し盛り返すものの、7月の日照時間は過去20年で最低となっています。前年夏の気象条件からだけの情報で予測すると、2004年もスギ・ヒノキ花粉飛散数は少なくなると考えられます。


 グラフや観測結果の無断使用はお断りいたします。