ポートレートセミナー

4、初めての撮影会

登場人物

達夫・・・撮影歴10年以上のベテラン

(はじめ)・・撮影歴数カ月の初心者

達夫:さぁそれでは撮影会に行こうか。

:ちょっと緊張するね。

達夫:さぁ着いたよ。それじゃ早速モデルを見てみようか。

:写真で見たよりも美人だね。最初はどうすればいいのかな。

達夫:まずはコミュニケーションが大事だね。挨拶くらいはしてもいいよ。まず初めに名前を聞く事だよ。

:名前を聞いてどうするの?

達夫:撮る時に名前で呼んであげる為なんだよ。「目線下さい」よりも、「真由美ちゃん、こっち見て」の方がいいでしょ。

:ふ〜ん、そんなもんなんだ。あと何かポイントは?

達夫:そうだな、大切なのはキャッチボールをする事かな。

:え〜。そんな事言っても、グローブやボール持って無いよ。

達夫:おいおい、そのキャッチボールじゃ無いよ。

:じゃあどのキャッチボール?

達夫:まずは言葉のキャッチボールだね。こっちが話し掛けて、それにモデルさんが反応してくれる。要するに会話をすればいいんだ。

:心のボールを投げればいいんだね。

達夫:そう、その通り。野球に例えれば、モデルはピッチャーで、カメラマンはキャッチャーだ。ピッチャーが良すぎると、キャッチャーは何もしなくてもいい訳だがつまらない。良くないピッチャーなら、キャッチャーは大変だがその方が面白い。

:モデルさんが素人だと、カメラマンがちゃんと指示をしてあげないといけないんだね。

達夫:モデルさんが素人の方が、カメラマンの差が出やすいんだね。

:さて、撮影開始だよ。

達夫:まず名前を聞くのが礼儀だね。そこから話すきっかけを作る。ちょっとやってみて。

:「初めまして、初と言います。君の名前なんて言うの?」

モデル:「初めって駄洒落いってる。面白い人。」

達夫:「駄洒落じゃなくて、マジなんだよ。」

モデル:「なんだ、そうなんだ。私は由美子と言います。まだ余り慣れてないけれど、よろしくね。」

:「初は初めてなんだ、ってまた駄洒落言ってる。」

達夫:「そう、今日が初体験だって。」

:「おいおい、そんな事言うなよ。勘違いされちゃうよ。」

達夫:「だって初めてだろう。」

モデル:「そう言えばあなたの名前は?」

達夫:「達夫と言います。私は初めてじゃ無いけれどね。」

モデル:「達夫って言うくらいだから、ベテランかな?」

:「雑談はこの辺にして、撮影しようよ。」

達夫:「そうだな、まず道の真ん中に立ってみて。手は後ろに組んで、体を少し右に向けて、まず全身から撮るよ。もう少しレフを引いて。」

:「ふーん、そんな感じでやるんだ。」

達夫:「今度は木のそばに寄ってみて。木に手を付けて、顔を近づける。そう、そんな感じ。」

:やっぱり手際がいいね。

達夫:こういうのは場数を踏まないと駄目なんだ。人のを見たり、自分で研究したりして上手くなっていくんだよ。

:ふーん。これからも色々教えてね。

達夫:じゃあ次回はレンズについて教えようね。


    


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