ポートレートセミナー

9、はじめのピント合わせ

登場人物

達夫・・・撮影歴10年以上のベテラン

(はじめ)・・撮影歴数カ月の初心者

達夫:今回はフォーカシングだね。初はピント合わせはAFだよね。

: やっぱりAF(オートフォーカス)の方が楽だよ。

達夫:最初のうちはAFでもいいが、余裕があればMF(マニュアルフォーカス)でピント合わせをしてみるのもいいんじゃないかな。

:何でAFカメラでMFをやらなければいけないのかな?

達夫:AFが苦手な被写体も有るんだよ。金網越しやガラス越しでは、手前に合ってしまう事もある。他にもコントラストが低かったり、縞模様だと駄目だったりとかね。AFは万能では無いんだよ。

:AFとMFをどうやって使い分ければいいのかな?

達夫:例えば風景みたいにじっくり撮れる被写体なら、MFで十分だよね。マクロもMFの方がいい。マクロでは被写界深度が浅いから、少しカメラを動かしても大きくピントがずれてしまうからね。

:ピントってどこに合わせたらいいのかな?よくポートレートなら手前の目に合わせなさいって言うでしょう。

達夫:これはあくまでも基本なんだね。普通は手前の目にピントを合わせて、場合によっては奥に合わせてもいい。でも人物だからと言って、目に合わせなければならない訳ではない。自分が一番いいと思った所、一番強調したい所に合わせる物なんだ。

:そうなんだ。ポートレートならピントを合わせる所は決めやすいが、ネイチャーとかだと迷うよね。

達夫:そうだね。それと見せたい所を切り取る事も大事だね。切り取り、特に強調したい所にピントを合わせる。

:結局AFとMFとどう使い分ければいいのかな?

達夫:スポーツみたいに動きの有る物ならAF、風景みたいに動きが無く、三脚を立てて撮るならMFだね。ポートレートでも三脚を使うならMFの方がいいかも。自分やモデルが動き回るならAFの方がいい。特に走ってもらったりする時は、動体予測を使えばピントが合う。

:あとは暗い時はピント合わせが難しいよね。

達夫:そういう時こそAFの出番だ。ストロボにはAF補助光が付いているから、これを使えばいい。暗い時はMFじゃ無理だよ。

:EOS-5だと本体にもAF補助光が付いているから便利だね。

達夫:確かに便利だよね。内蔵ストロボと併用すると完璧だね。ただ大口径レンズを付けると、蹴られてしまい使えない事も有るがね。

:えっ、そうなんだ。

達夫:EOS-5は5点測距だろう。右側はいいんだが、左側が駄目な事が有る。

:それは気を付けないとね。あとやたらとMFにこだわる人がいるが、どうなんだろうか?

達夫:特にプロやハイアマチュアに多いよね。これはこれでいいと思うよ。

:最近はAFの性能も良くなったし、AFでいいと思うんだが。

達夫:まぁこれは意地みたいな物もあるんじゃないかな。それにピントを合わせる操作をしていると、写真を撮っているという感じにもなれるし。

:そんな物なのかな。楽した方がいいと思うが。

達夫:MFにこだわる人って、三脚を使う人に多い気がするが。ポートレートに三脚を使いなさいって言う人は、MFにこだわっているよね。サンダー平山氏がいい例だよ。三脚を使っていれば、当然MFの方がやりやすい。俺に言わせりゃ、頭が堅いんだよね。臨機応変に使い分けるのが理想だよ。

あとプロは昔からの機材を使っている場合が多い。それに中判とかも使うよね。やはりMFの比率が多くなってしまう訳だ。

:こだわりと必然性からMFを使うんだね。

達夫:やはりMFも練習しておいて損は無いよ。いざと言う時に役に立つから。

:これからは状況に合わせて、MFも使おう。

達夫:次回はフィルムについて話そう。


    


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