ポートレートセミナー

16、はじめのレフ板

登場人物

達夫・・・撮影歴10年以上のベテラン

(はじめ)・・撮影歴数カ月の初心者

達夫:今回はレフ板についてだね。

ポートレートと言えば、レフ板は欠かせないね。
レフには、どんな種類があるか分かるかな?

: 普段使っているのは、丸レフだね。他にも種類があるの?

達夫:角レフがある。ロールレフとも言うよ。

: 丸と角ではどんな所が違うのかな?
丸レフだと畳むのが簡単だがね。

達夫:角レフだと組立がちょっと手間が掛かるね。

丸レフは畳むのにはちょっとこつがいるが、すぐに畳めるね。
畳むと小さくなるから、持ち運ぶ時に便利だね。
角レフだと畳むと細長くなるから、持ち運ぶ時にちょっと邪魔かな。

: 丸レフならちょっと大きめのバックに入ってしまうからね。

達夫:バックに入らなくても、バックからぶら下げても、そんなに邪魔にならないしね。

:他の角レフの特長はなんなのかな?

達夫:一番いいのはしっかりしたフレームで出来ているので、風があってもレフが曲がらなくていいんだ。

: 確かに丸レフだと、風で曲がってしまって持ちづらいね。

達夫:他にはキャッチライトが、丸レフだと丸く、角レフだと四角になるね。

: 当たり前みたいだが、これって大事だね。

達夫:どうしても丸いキャッチライトが欲しければ、丸レフを使うしかないんだね。

: 結局どっちの方がいいのかな?

達夫:これは好みで決めればいいね。風が強い日なら角レフ、丸いキャッチライトが欲しかったり、携帯性重視なら丸レフだね。

:両方持っていれば、一番いいんだね。

達夫:あと問題は大きさだね。出来るだけ大きいレフの方がいい。

: 何故大きい方がいいの?

達夫:晴れていればまだいいんだが、曇っている時は光が弱いから大きい方がレフからの反射光が多くなる。

: どのくらいの大きさがいいのかな?

達夫:最低でも100cm、出来れば120cmは欲しいね。レフの効果は大は小を兼ねるんだね。

:とりあえずは100cmを買えばいいんだね。

達夫:そうだね。後で大きいのも買えばいい。

あと曇りのレフの当て方なんだが、下から当てた方がいいんだ。

: 晴れてる時は、下から当てるとお化けライトになって良くないって言われているが。

達夫:確かに晴れている時は、原則として白レフで横から当てた方がいい。
曇りだと銀レフで、下からの方がいい。

: 下から当てて、お化けライトにならないの?

達夫:曇りだと顔の影は下に出るんだ。だからその影を消す為に、下から当てるんだ。
晴れていると太陽の光が強いから、レフは太陽光を反射させるんだが、曇りは空全体からの光を反射させるんだね。だから下からの方が、空全体の光を反射させる為効率がいい。

: そうなんだ。レフは横からって言うのは、あくまでも晴れている時なんだね。

達夫:あと銀レフと白レフの使い分けなんだが、曇りなら銀レフはいいとして、晴れは白レフとは限らないんだ。

:晴れで銀レフだと、光が強すぎるんじゃないの?

達夫:例えば小さいレフしかなくて、全身にレフを当てるにはどうしたらいいか分かるかな?

: もしかして、銀レフを使うのかな?

達夫:レフは光が拡散するんだ。近くだと強いが、離すと弱くなる。
銀レフを近づけると一部に強い光が当たるが、離せば光が拡散するから全身に当たるんだね。

: 光の強さや当たる範囲は、レフの距離で調整すればいいんだね。

達夫:そうだね。あと背景とのバランスを取るため、銀レフを使って強い光にする事もある。

: 晴れていると、背景が明るすぎて飛んでしまう事があるんだね。

達夫:この場合気を付けなければならないのが、影が強くなるので当てる角度に注意しないと。

: あとモデルさんがまぶしくならない様に注意しないとね。

達夫:そうだね。モデルにまぶしくないか聞くのが一番いいね。

レフを当てる時は、太陽との位置関係が大切なんだ。

: レフを当てる時は逆光が多いよね。

達夫:基本は、太陽、モデル、レフが一直線になる事だね。
これが一番効率がいいが、場合に寄っては少しずれてもいい。

: 完全な逆光だと、レフがモデルの前になってしまうね。

達夫:半逆光なら太陽の反対側にレフを持っていけばいい。

: 太陽の方にレフを持っていくと、どうなるのかな?

達夫:まず光を当てにくい。それに太陽の反対方向に影が出来るんだから、影に光を当てる事が出来ない。レフは基本は補助光だからね。

: それじゃ順光の時はどうやって当てるの?

達夫:普通順光では撮らないが、どうしても当てる場合、下から当てるしかないね。

: 下からだと、お化けライトになってしまうのでは?

達夫:順光の場合の影の出方を考えてごらん。下の方に影がでるだろう?

: そうか、下から当てて影を消すんだね。

達夫:順光の場合のレフの当て方は難しい。横から当てる事も出来るが、光が弱くなってしまうからね。

:あと気を付ける事って何かな?

達夫:モデルの黒目にキャッチライトが入る様に、レフの位置を調整する事だね。それとバストショットなら近づき、全身なら離れる。カメラマンのレンズの焦点距離と撮影距離でレフの位置を決めるんだ。

: これは1対1じゃないと無理だね。

達夫:撮影会なら少し離れるしかないね。

: あと撮影の時、レフを持ってくれる人がいればいいが、いない時はどうするのかな?

達夫:レフホルダーと言うのが有って、それを使えばいいね。三脚で固定するんだ。

: これが有れば助手要らずだね。

達夫:でも風が強い時は使わない方がいい。風で倒れたり飛んだりして危ないからね。スタジオなら問題ないんだが。

: と言う事は、木に立け掛けたりしない方がいいんだね。

達夫:どうしても使うなら、風上に置いたり、飛ばない様に固定した方がいい。こういう使い方だといい当て方が出来ないから、最初からやらない方がいいんだが。

: 下からだとお化けライトになってしまうんだね。

達夫:曇りの日にバストショットなら、モデルにレフを持ってもらってもいい。

:あとレフの他の使い方って有るのかな?

達夫:よく使うのはハレ切りだね。レンズに光が入るのを防ぐんだ。

:これは逆光の時だね。

達夫:あと日が高い時に、日陰を作るのにも使うね。

: 順光や日が高いと、汚い影が出やすいね。

達夫:とにかくレフは数多くやって、慣れる事が一番だね。
あとモデルに寄って、光に強い人と弱い人がいるんで、気を付けて欲しい。

次はストロボについてやろう。


    


      INDEX