新春対談


今回のゲストは江さんです。
Field Worksの撮影会で知り合いました。
その時のモデルはyukaさんです。

江さんの自己紹介(リンク)

落合:撮影会お疲れさまでした。
   まず私のポートレートについての考えから言います。
   まずモデルと言う言い方は好きではありません。
   モデルではなく一人の人間であり、女なんです。
   たいていの人はモデルの上辺だけを見ている様な気がします。
   私は肉体ではなく、その人の心を見つめてその心を撮りたいと思ってます。
   心は写真には写らないし、見えない。
   しかし心を感じる写真を撮ることは出来ると思います。
   大切なのは撮る人と撮られる人とのコミュニケーションです。
   江さんは1対1で撮りたいそうですが、それはいい事ですね。
   美人という事だけでなく、心もいい人を選んだ方がいいです。

江 :勿論私自身は当然上辺だけでは撮る気はありません。1対1の撮影を望ん
   でいるのもそれが理由です。ただ落合さんとはほんの少し考えが異なり、
   私の求めるポートレートは、その女性の内面を探るのではなく、あくまで
   も私が演出した作品。カッコ良く言うとカメラマンではなくディレクター、
   モデルではなく女優。例えば有加さんを撮る場合は、高校生であるが故の
   子供らしさ、また反対に大人の女に羽ばたく瞬間というのを撮ってみたい
   ですね。そりゃぁセーラー服でちょっとエッチなポーズも撮ります。撮る
   側のスケベ心なんですが、それは大人の女に羽ばたくを意識しているとも
   言えますね。写真道は初心者でも演出には結構自信があったりします。し
   かし演出とは言っても女優の内面を知らないと何も出来はしないと思うし、
   女優の意見も聞くことも大切だと思います。そういった意味では女性の内
   面を的確に捉える必要はありますよね。

落合:言っている事はよく分かります。私も演出は好きです。
   武田綾乃という娘がまだ高校生だった頃、制服を撮って欲しいと頼まれま
   した。
   ちょうど卒業の季節だったので、卒業記念の写真を撮ってあげました。
   その娘の高校の校門で卒業証書や卒業アルバムを持ってきてもらい、
   撮ってあげました。
   その娘は、その写真を部屋に飾ってくれていたみたいです。
   制服を撮って欲しいと頼んだのは、記念に残る写真を撮って貰いたかった
   からだと思うのです。
   長友さん曰く、「写真は記録であり、記念だ。」と。
   10年20年後に見て、その頃の事を想い出せる様な写真を撮りたいです。

江 :確かに写真は記録であり記念ですよね。カメラマンだけの自慰行為よりも
   モデルになってくれた方が喜んでくれるような作品も必要だと思います。
   どうも奇麗事を並べているようですが、自慰行為で楽しむよりは、色々な
   人に喜んでもらい、それを楽しんだ方が人生愉快ですって。

落合:本当は写真ではなく、映画かドラマを作りたいんです。
   でも作るには人出と時間が掛かるので難しいです。
   だから写真を撮るときに、全体にストーリーが成り立つ様に考えて撮ります。
   ドラマの絵コンテを写真で撮る様な感じです。
   映画の一齣が写真になるんです。

江 :あぁ、これよく判ります。私のホームページでも書いている事ですが、組
   写真という方法で作品を作りたいと思っています。風景等は1枚の写真で
   感動を生む事が多いですが、スナップやポートレートはやはりストーリー
   性を見出した方がカメラマンの意図が100%見る側に伝わると考えてい
   ます。カメラマンの中にはカメラマンの意図が通じなくても見る側それぞ
   れが違った考えを持って見てくれるだけでよい、という人がいらっしゃる
   ようですが、私は嫌ですね。自分の意図が伝わらなくては、いや、伝えな
   くてはならないと考えています。

落合:こういう写真は想像力が無いと駄目ですね。
   事前に有る程度考えておいて、出来るだけイメージに近づける。
   でもこういう事を考えているカメラマンはほとんど居ません。
   どうしても1カット勝負と言う人が多いんです。

江 :極端な話をすると「数撮りゃ当たる」。99コマ駄作でも残り1コマが表
   情、ポーズ、背景が良くこれを作品にする。別に撮り方は人それぞれです
   から、これでも良いでしょうが、これの欠点は誰でも出来るという事でし
   ょうね。1コマを作品にする為に99コマを無駄にするより、100コマ
   全てをイメージし、意識して撮れば良い。そうすればもっと良い作品が出
   来あがるのではないでしょうか?

落合:理想はそうなんだろうね。でも現実はそうはいかない。
   ある程度モデルが乗るまでには時間が掛かる。それまでは捨て駒も必要だな。
   モードラでカメラまかせに連写する人がいるが、止めた方がいいです。
   シャッターチャンスを選んで、シャッターを押さなきゃ駄目なんです。
   乗ってくればこっちのものなんだな。
   あれこれ指示しなくても、思いどうりの写真になる。
   最終的には写真日記や写真小説みたいな物を作りたいな。

江 :例えばいつまで経っても男が大好きなエロ本。私が究極のエロ本を作ろう
   としたら、それこそ、モデルの選択やら、ロケーションやら、小物、演技
   指導と全てに凝るでしょうし、100コマの流れをイメージし、把握して
   いるでしょうね。これは何も私だけでなく他の男どももそうだと思います。
   エロ本がポートレートの基本だとは言いませんが、近いものはあるのでは
   ないでしょうか?

落合:たいていの写真集を見ると、ストーリーが在るからね。
   ストーリー性が在る方が、一枚の写真にも意味合いが加わって、
   価値が出てくる。いつかは写真集を作りたいな。



あとがき:これは交換メールの内容を抜粋しました。
     御協力下さった江さんにお礼を申しあげます。

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