Point 9. 商品撮影について・・・・・トレーシングペーパーを用いた撮影
1.トレーシングペーパーの効果
右の2つ図はレフ板にトレーシングペーパーを併用した撮影方法を表しています。室内で物を撮る場合、この設定を基本形にするとよいと思います。

屋外で撮影する場合、晴天のときと曇りのときでは全く違う雰囲気の写真になります。晴天のときは強い影ができるのに対して、曇りのときはほとんど影ができません。晴天では太陽という小さな点が主な光源になっていますが、曇りでは全天が光源になっています。前者のような光源を点光源、後者のような光源を面光源と言います。また、影ができない光(照明方法)のことを『やわらかい光』と言います。

商品撮影では、特別な効果をねらう場合以外は面光源のやわらかい光で撮るのが基本です。右図のようにトレーシングペーパーを透して被写体を照らすと光がやわらかくなります。トレーシングペーパーを光源から離して被写体に近づけるほど、その効果が大きくなります。また、トレーシングペーパーが大きいほど、効果が大きくなります。被写体より十分大きなサイズのトレーシングペーパーを用いるのがコツです。
2.実例による比較
次に、同じ被写体を3つの方法で撮影した写真を示します。

    @ 窓辺でレフ板もトレーシングペーパーも用いないで撮った写真
    A 窓辺でレフ板のみ用いて撮った写真
    B 窓辺でレフ板とトレーシングペーパーを併用して撮った写真

これらの写真を影の出方に着目して見比べれば、それぞれの違いは一目瞭然でしょう。

@ 何もなし

A レフ板のみ

B レフ板とトレーシングペーパー
を併用