3日目 コッツウォルズ

 今日は一日かけて「コッツウォルズ」へ。これは日本から申し込んだバス・ツアーで、日本からの観光の人達と大型バス2台に分乗して行きます。コッツウォルズとはイギリスでも有数の、昔ながらの小さくて古い家が残るきれいな村々がある所です。朝8時出発。バスの中では係の女性がバス・ガイドの役で、道すがらいろいろ説明してくれますが、朝早かった疲れで2時間以上の道のりの大半を寝て過ごします。途中オックスフォードを通過。オックスフォード大学の歴史などを説明してくれました。コッツウォルズはさらに西にあり、ウェールズまでは行かないものの、結構近くまでは行きます。
 最初はBouton-on-the-Water(思わずあの曲のリフが頭に・・)という村へ。このコッツウォルズの村々は観光業で成り立っているということで、小さなホテルやお土産やさんがたくさんあります。アンティークを扱う店が多いらしいのですが、特に何も買う気はないので全て通り過ぎます。村の真ん中に小川が流れており、多くの観光客や地元の人たちが川縁に座ってくつろいでおり、子ども達や犬が川に入って遊んでいます。さすがに風景は綺麗です。気持ちよく晴れた渡った空、涼しく通り過ぎる風、それらを総合すると「BEST!」と言いたくなる心地よさでした。生きていく上でこの環境があればいい、と考えればここに住むのは最高でしょう。それ以外のものを求めたら、結局こういうところでは暮らせないなぁ、とか話しながら食事をしました(食事の味は「SO SO」)。不動産屋もあり、表に張り出されている写真入り物件を見ると、豪邸から小さな家までどれもこれもすごく高い。伊達や酔狂で買える物ではありません。ここに住むには相当な覚悟が必要なようです。
 その後、ストウ・オン・ザ・ウォルド、ブロードウェイというところを周り、最後にバスの集合場所でもあるパブで、時間までビール。どこを見ても古くてかわいい建物ばかりのコッツウォルズを後に、ロンドンへ。またバスの中で眠る。
 ロンドンには6時半くらいに到着、ピカデリーで解散。そこから公衆電話でまた友人を呼び出しエロスの像の下で待ち合わせして、いっしょに晩御飯へ行くことに。友人を待つ間、近くにある「Virgin Record」へ。CDは東京で買ったほうが安かったり、種類も多かったりするのですが、前回ロンドンに来たときから旅の記念として買うことにしたのです。ちなみに、前回はちょうど出たばかりだったビートルズの「イエロー・サブマリン・リミックス版」を、今回は同じくビートルズの「サージェント〜(LPはあるがCDは買っていなかった)」と、フーの「Ultimate Best」を購入。当然ですが、ブリティッシュ・ロック(それも古いの)しか買いません。

写真:コッツウォルズの村々の風景。


マーシャル工場見学(1)

 初めてのイギリス旅行の目的がマーシャル・アンプの工場見学でした。念のため、マーシャルを知らない人のために説明すると、ロックのコンサートなどをテレビで見るとギタリストの後ろに必ずと言っていいほど鎮座している、独特のスクリプト体の「Marshall」という白いロゴがあしらわれた、黒くて大きなギター・アンプのことです(昔は黒くはなかったが)。1964年にイギリスで生まれて以来、ロックの歴史とともに常に歩んできたアンプであり、 これがなければロックの歴史も変わっていたであろうことから「Sound Of Rock」とも称される、イギリスが誇るギター・アンプの最高峰です。10年以上仕事でかかわらせてもらい、工場見学にも同行することができました。今回は専門的ではなく簡単に書きますので、読んでみてください
 マーシャル社はロンドンから北へ、車で1時間半ほどの「ミルトン・キーンズ」という町にあります。詳しくは知りませんが、ここはこういった関係の工場などが多く、スピーカーで有名なセレッション社など音響関係の会社が多いようです。ロンドンへ着いた際の入国審査で、どこへ行くのか、と問われ「ロンドンとミルトン・キーンズ」で目的は「サイト・シーイング」と言うと、女性の入国審査官から「なぜミルトン・キーンズへ行くのにサイト・シーイング」なのだ? と怖い顔で聞かれました。つまり、ミルトン・キーンズは観光で行く場所ではなく、そう言った関係のビジネスで行く人がほとんどなのでしょう。困ったものの、あらかじめ勉強しておいた言葉で「工場見学」は「スタディ・ツアー」というのを冷静になって思い出し、「それに行くだけ。工場を見て回るのだ」と説明してわかってもらえました。しかし、ミルトン・キーンズとか言わずに「ロンドン観光」とだけ言っていればそれですんだのかなぁ、とか今思いますが・・。
 車で延々高速道路を走り、ミルトン・キーンズへ向かいます。車はマーシャル社が迎えに出してくれていたもので、ナンバー・プレートもマーシャルにちなんだものがついていたりします。途中、綺麗な菜の花畑などがあったものの、ほとんど退屈な風景をやり過ごし、ようやくマーシャル社へ到着。
 社内のロビーに足を踏み入れるとドカーンとマーシャル・アンプの3段積みが2つ並んで迎えてくれます。よく見るとそれはディスプレイのために作られたハリボテで、本物に比べ非常に薄く「なるほど、こんなのも簡単に作れるんだなぁ」と思い、ここがあのマーシャル社であるということを実感します。マーシャル社の担当者が来るまで、いろいろ展示されている物を見ます。国から優秀な輸出品として認定された盾や、いろんなミュージシャンの写真やサインなどが飾ってありました。
 さて、担当のS氏が現れ、いよいよ工場見学の始まり。マーシャルはアンプ作りの全ての行程がここで行われています。つまり企画から製作、出荷、さらにカタログや広告、ウェブ・サイトまで全て、ここミルトン・キーンズにあるマーシャル社内で行われているということです。工場ツアーということで、アンプが出来るまでの全ての行程を、説明を受けながら見て回ります。基盤作りから配線、組み込みに始まり、スピーカー・キャビネットの角の部分の丸みは手作業でヤスリをかけて丸くしてたということや、仕上げのレザー貼りにおける職人技の見事さに驚き、最後は世界中に出荷されるマーシャルが梱包された段ボールがそれこそ山積みしてある壮観な光景に圧倒されました。(続く)

写真左上:ミルトン・キーンズへ向かう道路沿いの標識
写真右上:ナンバー・プレート「EL34」は、マーシャルに使われている代表的な真空管の名称。
写真左中:ロビーに鎮座する、ハリボテのマーシャル。
写真右下:スピーカー・キャビネットに手作業でヤスリをかけている所。
写真左下:出荷を待つマーシャルの山。


 友人と合流し、前回ロンドンに来た際に訪れて気に入っていたシーフード・レストランへ。ソーホーにあり、前回旨い生ガキをたらふく食べたのだ。さすがに今回は「AUGUST」、スペルに「R」の文字は含まれていないので(生ガキを食べられる月は「JANUARY」のように、単語の中に「R」が入っている月に限られる、という鉄則があります)そもそもあきらめていたのだが、外で席が空くのを待っている時に生ガキが運ばれて行くところを目撃していた。店員に聞くと、「ROCK OYSTER」だけならある、という。おぉ、ROCKだぜ! というわけで、無類の生ガキ好き(笑)の我々は(少々不安ながら)さっそく注文する。
 ところで、女性の店員と注文やらなにやらで何度か話すが、よく聞き取れない。店員は「私の発音は変?」とか聞くが、そんなことはなく、我々の聞き取り能力が乏しいのだ(そういえば、昨日観た「WE WILL ROCK YOU」も、みんなが笑う場面でも何を言っているのかよく聞き取れず、ほとんど笑えなかった。英語は喋ることと同様に、あるいはそれ以上に聞き取り能力が非常に重要です)。
 そうこうしている間に出てきました、生ガキ。さっそくレモンを絞り、いただくが・・、味が怪しい。生ガキだけは怖いのだ。旨いものには毒がある。かつて一度、生ガキの食アタリを経験してその苦しさを知っている上、ここは旅先である。相当なリスクがある。ここで当たったらおしまいだ、とか思いながらも全て食べ尽くす(幸いにも大丈夫でした)。結局、ここでの食事は今回もなかなかの満足度でした。大いに酔っぱらい、ホテルへ戻り眠る。

写真:店の外で席が空くのを待つ我々。友人が撮影。


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