4日目 市内の名所歩き回り

 本日の予定は、買い物などを兼ねてなるべく効率的にロンドン市内の名所を巡ります。最初に行ったのは「Kensington High Street」。まずは、ロンドン2回目の時にも訪れ夕食も食べた「Sticky Fingers」へ。ストーンズのビル・ワイマンが経営する店です。今回は外で記念写真のみ。看板の下がちょうど良い写真ポイントでした。
 続いて、そこから歩いて10分くらいのところにある「Tower House」へ。ここはかつてジミー・ペイジが住んでいたという家です。ちょっと迷いましたが、無事発見。内装工事か何かをやっているようで、作業員が3人ほど外で休んでいました。トラックなども止まっていて、ちょっと景観としては残念でした。今思えば、あの人たちに頼めば中が見られたかも・・まあ、いいか。お城のような威厳があり見事でした。ここに住む気分はどんなだろう。
 そこから今度は15分ほど歩き、フレディー・マーキュリーが生前に住んでいた家に向かいます。静かな住宅街といった中を歩き、到着。この家は高い塀に囲まれていて、外から建物の様子はうかがい知れません。屋根が少しみえるくらいです。塀の真ん中にドアがあり、そこにはここを訪れたファンの落書き、というかメッセージが書かれています。ちょうど2、3人のファンが来ていて、熱心に写真を撮っています。ドアの上には花束が一つ掛けられていました。
 暑さもあり、これだけ歩いただけで早くも疲れ、この近くにあるらしいマーク・ボランが住んでいたという家を見るのはあきらめました。
 次はバスに乗りバッキンガム宮殿へ向かいます。これも前回行ったのですが、今回はロンドンが初めての娘に見せるために行きます。ちなみに本人が行きたいと言ったわけではありませんが、やはり来たら一度は見ておくべき所であろうし、基本だからです。ハイドパークの外れでバスを降り、まずは昼食をとるため「Hard Rock Cafe」へ。ここロンドンのハード・ロック・カフェの展示品で気になったのは、ウッドストックで使っていたギブソンSGに“似た”というコメント付きのサンタナのギターでした。しかし、“似た”といわれても(笑)。他にはエルビスの皮ジャン、ジャニスの衣裳などがありました。食事と休憩を終え、バッキンガム宮殿に向かいますがこれが思っていたよりも遠く、日差しの強さもあって参りました。
 ようやくたどり着き、門の前で記念写真です。ここでパンクな娘には「失礼な態度」のポーズを要求しました(まあ、言われずともやったでしょうが・・)。例の指をしたところを撮ったら写真に謎の光が被ってしまいました。天罰ですか。やはりここでそういうことをしてはいけないようです。

写真左上:スティッキー・フィンガースの看板。
写真右上:ジミー・ペイジガかつて住んでいた「タワー・ハウス」。
写真左下:フレディー・マーキュリー邸の塀とドア。
写真右下:God Save The Queenは本当だった、という写真。


マーシャル工場見学(2)

 実際に製品を作る工場の見学を終え、今度はカタログなどを作るDTPの部署など、デスクワーク部門を見学。ここが自分には一番関係が深いだけに興味深いものでした。当然、使用パソコンはMacであり、モニターのデスクトップ・パターンはマーシャルの壁(笑)でした。「9ギガのサーバーを2台使い〜」みたいな説明があり、へぇー、すごいと当時は思いました(今や誰でも100ギガあたりまえの時代になってしまいましたが)。ミュージシャンのサインや賛辞が書かれた写真が飾られている部屋を通り、最後はマーシャル歴代のアンプが展示されている部屋へ。ここには第1号のマーシャル・アンプ・ヘッドもあり、いっしょに記念写真を撮りました。
 社内見学が終わりロビーに戻ると、最後にジム・マーシャル氏がおもむろに社長室から登場しました。全員でロビーのマーシャル3段積みディスプレイの前で写真を撮り、その後ジムとスタッフ数人を交えて近くのこじんまりしたレストランへ昼食へ行きました。
 昼食後はこれも社内にあるリハーサル・ルームのようなところへ行き、新製品のレクチャーが行われました。担当のマーシャル社のS氏が自らギターを弾いて説明してくれます。この時の新製品は、まだ発表前だったエフェクターがメインです。この時のデモ演奏を聞いてその音に惚れ込み、日本での発売時には「BLUESBREAKERS II」をさっそく買いました。ちなみに、これはエリック・クラプトンが「Bluesbreakers」時代に使っていたコンボ・アンプの音をイメージしたオーバードライブ・エフェクターで、倍音をたっぷり含んだ艶やかな音、という特徴で気に入っています。
 ところで、この会場のテーブルの上にはコーヒーなどが用意されており、そこにマーシャル・ロゴ入りのマグ・カップを発見。これいいな、欲しいな、と引率してくれているK氏に言ったところ、K氏は親切にもそれを担当のS氏に伝えてくれた。S氏は「ボクは何も見ていないから」と大人の態度で返してくれ、子どものようなことを言った自分は非常に恥ずかしく思いながらも、1個カバンに入れさせてもらいました(Thanks, S!)。
 全て終了後、今日泊まるホテルへチェック・イン。ロッジのようなところで、隣に湖があり、近くには良いポイントでもあるのか、釣り客も泊まっているようでした。とても田舎です。今夜は再びジム・マーシャル氏と食事会があり、全員スーツに着替え、夕方お迎えのバスに乗り会場のレストランへ。
 今回はお偉方と思われる人たちも顔をそろえ、なかなか畏れ多いものでした。しかし食事はさすがにおいしく、ここに参加している全員がマーシャルが好きで、いろんな形でマーシャルと関わりそれを生業としている人であり、基本にあるものは一緒なので堅苦しさもなく、楽しいものでした。ジムから「日本では今、どのイギリスのバンドの人気があるのか」という質問もあり、全員思い当たるものがなく、かろうじて「OASIS」という答えが出ていました。昔からアンプ製作を担当していた重役の方に部品についてマニアックな質問をする人もいて、なるほど、作った本人から直接話を聞けるまたとないチャンスの場でもあったのだ、と気づくが、自分はそこまでマニアックではなかったことにも気づく。会も終わりに近づいた頃には運転手の人たちも加わり、ジムと肩をたたきあったりするなど、なごやかにやっていました。マーシャル社は社長も社員も、みんな身内のようなのだなぁと感心。日本ではあまり見られない光景だとも思いました。
 最後はみんなベロベロに酔っぱらい(運転手は除く?)、会は終了。ジムとならんで写真を撮らせていただき、バスでホテルまで送ってもらい、怒涛のマーシャル社見学ツアーは終りました。

写真右上:歴代アンプの展示室。
写真左上:マーシャル第1号機。
写真右下:エフェクターのデモ演奏中のS氏。
写真左下:Dinner with Jim Marshallも無事終わり、全員で記念撮影。


 バッキンガム宮殿を後にし、また延々地下鉄まで歩き、今度は「Sloans Square」駅へ。ここからキングス・ロードを歩きます。この通り沿いにも誰それが住んでいた家などが多々あれど、もう疲れていてそこまで足を伸ばす気になれません。途中のコーヒー店で休み、妻と娘だけで行きたい店に行ってもらうことにする。情けないとは思うが、毎日かなり歩き疲れもピークに達しているのでした。さらに買い物に付き合う根性はなかった。この店で40分程一人でゆっくり休む。
 その後戻ってきた家族と合流、今行ってきたばかりという店にもう一度行く。「Sex」という洋服&アクセサリーの店で、ここは70年代にマルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウエストウッドが所有していた店です。当時、この店のプロモーションのために店のスタッフによって作られたバンドが、かのセックス・ピストルズなのでした。今は日本人女性のスタッフがいました。
 次に向かったのは、ブライアン・ジョーンズがストーンズ結成当時に住んでいたというフラットです。ミックとキースもその後移り住み、貧乏な3人でシェアしていたということです。これも少し迷ったものの無事発見。建物は結構傷んでいて、もしかしたら当時の姿とあまり変わっていないのかもしれません。ミックが学校へ行っている間、キースとブライアンはここで2人でギターを弾いていたということです。
 このあたりには、亡くなる前にマーク・ボラン(再び)が住んでいたことがある家などもありますが、もう歩けません。ということで、今日のミーハー散策はここで終了。
 全員、もう晩飯をどこかへ食べに行く根性もなく、ホテルへ戻り自炊することに決定。こういうこともあろうかと選んだ台所付きホテルです。米も3合だけ持ってきていました。ふりかけをかけた白米と近くの店で買ったカップ麺は、ロンドンへ来て食べた食事で一番旨いものでした(笑)。これだから日本人はやめられない。

写真上:「Sex」の外観。
写真下:ミック、キース、ブライアンが青春時代を過ごしたフラット、「Edith Grove」。


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