福永武彦研究『夢のように』(C)1998 Yuichi Toyokura


〜CD-ROM版新潮文庫について〜

 福永の作品のうち『草の花』と『死の島』はCD-ROM化されていてパソコンなどで読むことができます。「新潮文庫の100冊」の延長のようで新潮社が発行しています。CD-ROM化にあたっては、この分野の先駆けとも言えるNECの制作協力を受けています。閲覧ソフトは株式会社ボイジャーがエキスパンドブックというものを提供していますが、同社のT-Timeというソフトでも閲覧できます。
『草の花』 『死の島』
収録商品 CD-ROM版新潮文庫の100冊 CD-ROM版新潮文庫の絶版100冊
価格 15,000円(税別) 16,000円(税別)
CD-ROM初版発行 1995年12月15日 2000年4月20日
著作権表記 (C) Teiko Fukunaga 1954 なし
解説 本多顕彰 加賀乙彦
略歴・作品紹介 源高根 なし
文庫表紙写真 あり なし
作者写真 あり なし
ファイル名(サイズ) 111501*.TXT(324Kbytes) 165401.EBK(2031Kbytes)
閲覧可能機器 Windows/Macintosh Windows/Macintosh/Zaurus
テキスト化 可能(要フリーソフト) 可能(要市販ソフト)

 書店かパソコン・ショップで手に入ります。ただ、あまり流通していないので、注文した方が確実です。『草の花』の方は既に第2版が出ているのですが、『死の島』の方は初版からして目にすることが少なく、第2版も出るかどうか判らないので早めに注文した方がいいでしょう。

 どちらも解説は元々の文庫のものが収録されています。『死の島』の解説は全集には収められなかったと思うので、それが読みたい人にもいいかも知れません。『死の島』の方は著作権表示もなく、少しいい加減な印象を受けます。

 『死の島』の目次については、きちんとデータ化されていて、「夕」の「88日前」が一気に検索できるのは、すごく便利です。『死の島』を一度読んだ人でも、これで読むとまた別の読み方があるかも知れません。

 『死の島』がCD-ROMに収録されたのは嬉しい反面、もう文庫本として印刷されることはないのかと思うと寂しくもあります。テキスト化については著作権の絡みがあるので、あまり詳しくは説明しませんが、福永の著作権が切れるのは、このままでいくと2029年です。そうなれば、またやりようがあるのですが。あと30年ちかく、福永がどのような読まれ方をされていくのか、見守っていこうと思います。

by Yuichi Toyokura(H.12.6.25)

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