メモ | チューリップ属の解説は、こちらをご覧下さい。 原種系に分類されているチューリップで、原産地はクレタ島です。
花は、1〜4輪着くそうです。花被の色は、紫がかったピンク〜ライラックパープルで、先端の色がやや濃く、基部は黄色です(上の写真では分かりにくいかもしれませんが、サムネイルではお分かり頂けるかと思います)。 私は、実物を見たことがありませんが、サクサティリス(T. saxatilis Spreng.、英名:Candia tulip;Candiaはクレタ島北部の古都)という種によく似ているそうです。その違いは、バッケリーの方が花被片の色が濃いそうです。「The new RHS Dictionary of Gardening」では、‘Lilac Wonder’はサクサティリスの品種とされています。
クレタ島に自生している何種かのチューリップを、生化学的手法を用いて分類した実験によると(※)、オマロスと言うところで採取したバッケリーと一部のサクサティリスとでは違いはなかったそうですが、同じサクサティリスでも採取した場所によって違いがあったようです。
※ より詳細には、葉に含まれているグルタミン酸・オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(glutamate oxaloacetate transaminase;略称GOT)という酵素をポリアクリルアミドゲル電気泳動したそうです。GOTは、アミノ酸のアスパラギン酸をオキザロ酢酸とグルタミン酸に代謝するそうです。ヒトでは肝機能検査の指標にされていて、肝臓の細胞が壊れていると血液中のGOTが増えるそうです。しかし、なぜ、チューリップの分類にこの酵素が分析されたのか、分かりません。実験結果も、何となくアヤシイです。図と本文中の説明が一致していませんし(図中でchannelとなっているものが本文中ではtrackとなっている上、番号が一つずれてます)、電気泳動したゲルの写真はレーンに番号が振ってなくて、どれがどれだか分かりませんし。仮にも審査を通った論文なのだから、私の解釈に問題があるのでしょうかね?もし、参考文献に記した論文を読んだことがある方がいらっしゃったら、何か、ご意見願います。 こういうアヤシイ論文を引用しちゃうのは何ですが、バッケリーの資料は少なかったです。
本棚以外の参考文献
|