Point 7. 画像ファイル形式・・・・・中間画像はPSD形式で | |
1.画像ファイル形式 | |
世の中にはいろいろな画像ファイル形式があります。写真のような自然画像を得意とするもの、イラストや図を得意とするもの、いろいろなところで使われているもの、特定のソフトでしか使えないものなど、さまざまな特徴を持った画像ファイル形式があります。 しかし、デジカメ写真で使う画像ファイル形式としては、JPEG形式とTIFF形式とPSD形式だけ知っていればあまり困ることはありません。そこで、それぞれの特徴についてまとめておきましょう。 |
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2.JPEGファイル | |
JPEGファイルはインターネット上の写真用ファイル形式として標準的に使われており、次のような特徴を持っています。 @ 画像を圧縮して保存できる。 A 画質もしくは圧縮率を指定できる。圧縮率を高くすればするほど画質は低下する。 B 圧縮方式は非可逆。つまり、圧縮した画像から元の画像を復元することができない。 C インターネット上の標準ファイル形式なので、JPEGファイルを扱えるソフトは非常に多い。 非可逆の圧縮がかかるため、JPEG形式で編集・保存を繰り返すと画質がどんどん劣化します。画質をそこそこに保ちながらファイル容量を小さくしたいときに使用するとよい画像ファイル形式です。 |
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3.TIFFファイル | |
TIFFファイルは汎用的な画像ファイル形式で、次のような特徴を持っています。 @ 画像を圧縮せずに保存する。 A 画像情報が失われない。従って、保存しても画質が劣化しない。 B JPEGファイルと比べてファイル容量が大きい。 C 汎用的な画像ファイル形式なので、TIFFファイルを扱えるソフトはたくさんある。 D インターネット上の画像には使えない。 画質最優先の場合に使用するとよい画像ファイル形式です。 |
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4.PSDファイル | |
PSDファイルはレタッチソフトであるPhotoshop (Elements)オリジナルの画像ファイル形式で、JPEGファイルとは対照的な特徴を持っています。 @ ファイルに保存するときに画像情報が失われない。 A 補正した内容を完全に保持しておくことが可能。(レイヤーを用いた場合。) B 一般に、JPEGファイルと比べてファイル容量がはるかに大きくなる。 C Photoshop (Elements)独自のファイル形式なので、基本的には他のソフトで扱えない。 Aについてはわかりにくいかもしれませんので、Point 3 のレベル補正の例で補足説明します。この例の内容を簡単に言うと、 のような元画像に、 のような補正をして、 のような画像にした ということです。修正後の画像を(レイヤー情報を保持したまま)PSDファイルで保存すれば、後でそのファイルを開いたときに、 を見れるだけでなく、 や を見ることができます。 さらに、表示だけではなく、補正のやり直しもできます。つまり、 を削除して、 に戻ったり、 の操作内容を変えたりすることが できるのです。このようにレタッチにとってはたいへん便利なのですが、その分ファイル容量は大きくなります。例えば、500万画素クラスのデジタルカメラで撮った画像の場合、JPEG形式なら5MB以下で済むところがPSD形式では25MB以上にもなります。(レイヤー情報を保持したまま保存した場合。) |
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5.使い分け | |
上に述べた3つのファイル形式の特徴を考えると、レタッチの流れの中で次のような使い分けをするのがよいと思います。 @ 元画像 ⇒ JPEGファイルかTIFFファイル A レタッチ途中の中間画像 ⇒ PSDファイル B 完成画像 ⇒ JPEGファイルかTIFFファイル 元画像とはデジタルカメラの出力する画像です。それをTIFFファイルにすると、写真1枚のデータ量が多くなるため、一度に撮影できる枚数が非常に少なくなります。従って、どうしても画質最優先というときはTIFFファイル、それ以外のときはJPEGファイルにします。 完成画像はインターネット上に載せたり、プリンターで印刷したり、何らかの目的で使うデータなので、なるべく広く使える標準的なファイル形式が有利です。使用目的がTIFFに対応していてなおかつ画質最優先ならTIFFファイル、それ以外はJPEGファイルにします。インターネット用の画像は必然的にJPEGファイルにすることになります。 中間画像はそのままで使われるのではなく、レタッチ途中までの情報を保持しておくのが重要なので、PSDファイルが圧倒的に有利です。 このように、目的によって画像ファイル形式を使い分けることが大切です。 |
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