Point 1. デジカメ写真は銀塩写真(フィルムの写真)とどこが違うか
1.デジカメ写真の特徴
デジカメ写真の特徴は、なんといってもパソコン上で自由に画像処理できるデジタルデータであることです。デジカメ写真の上達にはこのあたりの事情について知っておくことが必要不可欠ですので、簡単に説明しましょう。

まず、銀塩写真、特にリバーサルフィルム(ポジフィルム/スライドフィルムなどとも呼ばれる)について確認しておきます。リバーサルフィルムではカメラマン自身が現像処理を行うことはほとんどありません。撮影と現像の分業が出来上がっています。現像処理の方法は厳密に決まっているので、カメラマンはそれに合わせて撮影だけ行えば、後は安心して現像に回せます。

一方、デジカメ写真はどうでしょうか。フィルムの場合とは違って現像に出す必要はありません。画像データをデジタルカメラからパソコンに読み込めば、画像表示ソフトなどを使ってすぐに写真を見ることができます。つまり、撮影から画像を表示するところまで、全ての作業をカメラマン自身が行えます。

デジカメ写真の中身はデジタルデータなので、デジタルカメラの設定によって写り方が変わります。例えば、コントラストを弱くとかシャープネスを強くとか撮影時に設定できます。銀塩写真ではカメラ側でそのようなコントロールをすることはできません。

また、画像データをパソコンに読み込んだ後も自在に画像をいじることが可能です。(ただし、いじればいじるほど画像は劣化します。詳しくは、『初心者は自動補正処理に頼ってはいけない』の説明を参照してください。)実は、デジタルカメラの出力画像は色味・コントラスト・シャープネスなどが必ずしも最適ではなく、そのままでは完成写真として使うことはできません。。そこで、パソコン上で補正処理をする必要があります。この補正処理のことをレタッチと言います。
2.レタッチでは何をするのか?
レタッチはデジタル画像に対する補正処理で、デジカメ写真では必須の処理です。デジカメ写真の最大の特徴はレタッチを行うことにある、と言っても過言ではありません。

さて、レタッチの処理は、デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込んだ後、レタッチソフトと呼ばれる画像処理ソフトウェアを使って行います。レタッチソフトで操作できることは多岐にわたりますが、主なものとしては、@明るさの補正、Aコントラストの補正、B色味の補正、Cシャープネスの補正、D解像度の変更などがあります。これ以外にも回転やトリミング、画像の一部分を範囲選択しての補正処理などいろいろなことができますが、なんと言っても@〜Dが処理の中心となります。

@〜Dのなかでも特に重要な処理については、Point 3 (『レタッチ最初の一歩・・・・・最重要なレタッチ処理』)に簡単な説明を載せてあります。そこに書いてあることをマスターするだけでも多くのデジカメ写真を美しくすることができますので、ぜひ読んでみてください。

それでは、レタッチによってどの程度写真が変わるのでしょうか。これはケースバイケースで一概に言えませんが、一例としてレタッチサンプルのページをご覧ください。このページには、私が実際に行ったレタッチの例を載せてあります。

レタッチソフトとして有名なのはアドビ社の Photoshop です。フル機能版の Photoshop はプロ用のツールですが、アマチュア用機能限定版として Photoshop Elements というソフトもあります。Photoshop Elements は機能的にも価格的にもレタッチ初心者には手ごろなソフトでしょう。このサイトの記述は、Photoshop Elements に準拠しています。
3.デジカメ写真に求められるスキル
写真の基本はデジカメ写真でも銀塩写真でも同じです。しかし、デジカメ写真だけに求められるスキルもあります。一言でいえば、デジタル画像に関する知識と経験です。その説明をする前に、まず、銀塩写真に求められるスキルを確認しておきます。

上で述べたように、リバーサルフィルムを中心とする銀塩写真の場合、現像処理の方法は厳密に決められています。つまり、シャッターを切った時点で写真の出来は決まっているようなものです。ですから、現像処理にうまく合うように露出やコントラストなどの調節をしながら撮影する必要があります。言ってみれば、銀塩写真では現像処理に『合わせる技術』が求められます。

それに対してデジカメ写真の場合には、カメラの設定やパソコン上でのレタッチなど、デジタル画像処理を行いながら最終写真にまで『仕上げていく技術』が求められます。つまり、デジタル画像に関する知識と経験がものを言うのです。例えば、(a)色の表し方(RGBモデルやHSBモデル)、(b)ヒストグラムの読み方、(c)画像ファイルの種類と特徴、(d)レタッチの基本手順、(e)レタッチソフトの操作方法など、どれもデジカメ写真で必要とされる知識です。

(a)については、ご希望の方に無料レポート(『要注意!なんと2つの彩度・明度があった』)を差しあげます。詳しくは、
レポート・情報のページをご覧ください。(b)については、Point 3 (『レタッチ最初の一歩・・・・・最重要なレタッチ処理』)の説明を参照してください。(c)については、Point 7 (『画像ファイル形式・・・・・中間画像はPSD形式で』)を参照してください。(d)については、Retouch Sample Vol.1 というCDを使えば自然にマスターできるようになっています。Retouch Sample Vol.1 の詳細についてはこちらを参照してください。